社会化する「会社」

ここ数年で、会社は大きく変わりつつあるように思っている。 改善しないデフレ経済下において、企業は生産性の追求やコストカットを重視するあまり、多くの犠牲を払ってきた。それらの多くは、イノベーションの創出の機会を阻むだけでなく、社員の心の病やハ…

多様性を認める覚悟

生物多様性に関する世界的な会議が11日から本格的に始まったこともあり、『多様性』というキーワードが今後もさらに注目されると思われる。 以前より、イノベーションや知識創造等の理論においては『多様性』による“ゆらぎ”や“カオス”等が注目されていたこと…

成果主義賃金制度と経済学

成果主義賃金制度はいつから始まったのだろう? 古くは、テーラーの「科学的経営による出来高賃金制度」に始まり、日本企業にも10年前くらいからかなり浸透してきている。 そして興味深いことは、この成果主義賃金制度の浸透に比例するような形で、経済がデ…

知識専門職(ナレッジワーカー)への内部統制

大阪地検の捜査資料改ざんの疑いのニュースが連日紙面を賑わしている。法曹三者といわれる検察機関の信用失墜は、様々な意味で社会的注目度が高い。 検察官は元々は司法試験の中でも成績優秀者でないとなることができないとされており、裁判官と同様、司法試…

技術者以外に適用する「20%ルール」、『社内ボランティア』

古くは3M、最近ではGoogleで一躍有名になった社内の規定で、「20%(15%)ルール」というのがある。(推測だけれど)これは“週に一度は自分の好きな研究に時間を割いていいよ。それで新しいsomethingを生み出して”というメッセージであり、週の出勤日の変…

“BtoBtoC”と“BtoCinB”(BtoE)

数年前から、IT系の機器やコモディティ、あるいはソフトウェア等の業界においては、従来のBtoBではなく、“BtoBtoC”で説明されるようになってきた。BtoBtoCは、売り手側である、自社の顧客企業のお客様(一般消費者をさす場合が多い)のニーズを視野に入れた…

まちがいだらけの『新規事業開発』

「まちがいだらけ」と言い切っちゃうのはいささか言い過ぎかもですが... 新規事業開発もしくは社内ベンチャーが必要だと社内でも叫ばれて久しい。巷にこれだけ『イノベーション』と言う言葉が出れば、どんなに世俗に疎い経営者(!?)でも、意識せざるを得な…

シリコンバレーを代表する日本人のゲストの来社

先日、シリコンバレーのVC(ベンチャーキャピタル)を代表する日本人といっても良い、校條(めんじょう)氏に来日中の貴重なお時間の中、弊社オフィスにお越し頂いた。(あーしまった!写真とっておくべきだった!orz)>校條 浩氏(ご紹介) http://bit.ly/9…

『働きやすい会社』と『働き甲斐のある会社』

先日の21日(日経では20日!?)に『働きやすい会社ランキング』が発表されていた。私の所属する企業もランク表示されており、昨年度に比較すると順位をかなり上げた。 ところが、そこに所属している自分としては、ちょっとばかりこれには違和感がある。 なぜ…

企業内組合の役割

先日14日 厚労省が発表した「労使コミュニケーション調査」において、「労組は必要だと思う」という社員の割合が下がっているという調査結果が公表された。 http://bit.ly/dAkV47 http://bit.ly/d05vK5 そもそも日本は、「企業内労働組合」というユニークな…

大企業の役割:(Open System Enterprise)

ひょっとしたら似たようなことを書いている方がおられるかもですが、個人的意見として書きます。 今、一応大手企業の関連企業で経営企画をしながら、他方では中小企業を相手にコンサルティングを無償(有償ってかくと副業なので:汗)で行おうと思っている自…

事業の目標数字は何故達成しないのか?

事業会社の経営企画を担当していると、「当期の目標数字について策定する」「前期の目標がどのくらい未達だったか」等という議論がよくされる。目標数値は所謂、「右肩上がり」(→順調に伸びているケース)か、「Ⅴ字回復」(→業績不振のケース)か、しか計画…

私の考える人事・・・その②

多分、この②が一番ポイントというか一番言いたいところになりそうです。 前回のその①で、マネージャー級の認定資格としての条件のような設定をしました。こうした認定条件を得たマネージャーの選定の方法を従前の手法から革新する必要があると思っています。…

私の考える人事・・・その①

常々思っている、人事施策についていくつか書きたいと思っています。今回はその1。(順番もないのですが。) 【施策】: マネージャー以上のポストは、他部門経験者であることを、マネージャー資格取得の要件とし、必要スキルを身につける必要があります。 …

“共同編集”の機能

昨日、SaaSパートナー協会の主催するセミナーに参加した。 後に会議を予定していたため、中座したのだが、ゲストプレゼンターであるzohoとGoogleの方の話は聞けた。 二人のプレゼンは、ともにクラウド(パブリック)でのビジネスツール、アプリの製品紹介が…

New PDCA サイクル

経営は以前の『計画型』から『仮説検証型』へ移行するべきと言われて久しい。確かに、不安定且つ不連続な時代では、計画を立案しても、その土台や根拠となっている環境や前提が大きく変化する可能性が高く、計画が機能しない、というのが昨今の潮流である。 …

「望まれる人材像」と年功序列

昔、まだ30歳くらいの頃(十数年前かな)に、猛烈に会社が嫌になり「もう限界」まで来た。そのために転職活動をしたことがあった。その時、世間一般ではこんな風に言われていた。 「これからは、英語、会計、IT の知識が必要である。そういう人材が望まれる.…

組織は戦略に従う?戦略は組織に従う??

経営を学んでいると、よくタイトルのようなことを耳にする。 「組織は戦略に従う」・・・アルフレッド チャンドラー 「戦略は組織に従う」・・・イゴール アンゾフ 二人とも、あらためて解説をするのもおこがましいほどの世界的な経営学の権威であり、チャン…

野中教授の講演

昨日、無料講演だが、知識創造、ナレッジマネジメント、イノベーション理論において世界的権威である、野中郁次郎教授の講演を聞いてきた。 40分のショートセミナーではあるが、やはり自分にとっては印象深いものとなった。 その中でのキーワードを一つだけ…

プレイングマネージャー制など要らない

当日記は、今現実にプレイングマネージャーとして活躍されている方に対し批判を申し上げるつもりでもありません。 と前置きした上で申しますが、 「プレイングマネージャー」という制度、もしくは慣習は、全面的に見直すべきと考えます。 企業が「組織」とし…

シンクロニシティ

まずは、この動画を見ていただきたい。何かをお感じになられただろうか? この動画は、先日お邪魔した某人事・組織コンサルティング会社の方が自社のブログでご紹介されていたもの。 この会社では、ワールドカフェやOSTなど、新しい会議や対話の手法をコンサ…

大企業病の合併症

『大企業病』という言葉がある。 「我々は大企業病に罹っている」「大企業病から脱却しなければならない」などと、大企業の方のみならず、中堅企業の方でもそういう意見が聞かれる。 大企業病の定義は、goo辞書によると、次のようなものらしい。 - 大企業に…

ワールドカフェに参加してきました

5/22(土)〜5/30(日)まで、ワールドカフェウィークということで、5/26(水)に『DO IT ワールドカフェin東京』に参加してきた。 >ワールドカフェって? http://world-cafe.net/about-wc.html >『DO IT ワールドカフェ in東京』 http://www.doit-fun.jp/se…

POPEYE世代のマネジメント

私の勤めている会社では、経営環境が非常に厳しい状態に陥り、損益等の主要な財務数字もマイナスという言葉をよく聞かれる様になっています。 経営者は「危機的状況」と言うのですが、どうもマネジメント手法や戦略が大きく変革したりする様子はありません。…

プロボノという働き方

久しぶりの日記です。 今日は、千葉県にあるとある会社とNPOの代表の方とお話してきました。 自分と同じく社会起業的な働き方を模索している社の友人とともに、この代表の方も交えて話した中で、「プロボノ」の話が出てきました。 >『プロボノ』とは? http:…

『何故、80点じゃないんだ?』

- 一生懸命勉強している子供がいる。 その子供が、ある日、70点を取ってきた。いつもは90点取れるのに。 ここの所、成績は落ちつつある。 父親からは毎日のように檄が飛ぶ。「どうして80点くらい取れないんだ!ちゃんと勉強しているのか?やり方を考えろ!勉…

『人材』は、費用か資産か資本か?

企業における人材を会計に置き換えた場合、次のように区分することができるかもしれません。 ①人在・・・費用 会社からは「人件費」として見られる存在 ②人材・・・資産 会社から資産とみなされ、一定期間で償却 ③人財・・・資本 会社から資本とみなされ、経…

会社に元気がない理由

今、とあるグループ企業の事業支援をしています。私が出来る事といえば、その会社の社長の話し相手となりながら、言葉を拾い、紡ぎ、一つの方針として纏めていくことです。それがやがては会社の「戦略」となり、組織の方向性を示すものとなります。 会社に元…

偉くなると仕事しないで良いのか?

昨日、自分の会社に昨年より就任した役員と始めてミーティングをした。 その時に役員が言っていたのが、「この会社は、中途半端に偉くなると、途端に仕事しなくなって、全部部下に仕事ふっちゃんだよね。それでメンタル不全の部下が増えているように思うな..…

財務諸表の正しい見方

企業の状況を表すものの一つに財務諸表があり、「損益計算書」がある。損益計算書は、一般に当期の企業の通信簿とも言われており、企業の成績であると言われている。 自分も大学時代に会計科の出身(もうはるか昔です:苦笑)だし、簿記もとりあえずやったん…