プロボノという働き方

 久しぶりの日記です。
 
 今日は、千葉県にあるとある会社とNPOの代表の方とお話してきました。
自分と同じく社会起業的な働き方を模索している社の友人とともに、この代表の方も交えて話した中で、「プロボノ」の話が出てきました。
 
>『プロボノ』とは?
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%9C%E3%83%8E
こんな記事も
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20100219/211732/

 実は、今日この会社に伺うまでに同行した知人とこんな話をしていました。「自分は経営戦略や事業戦略を専門スキルとしたいが、それは事業部長や経営層の“特権”領域でもあるため、そのスキルを活用することが社内で活用することが難しい」
 皮肉なもので、経営企画部門等でのこれまでの日々の研鑽や独学で獲得した資格やスキル等は、高度になればなるほど、社内では生かしづらいと言う少し情けない現実です。
(正直、Webデザインや開発、又は特殊な知識、スキル等ならば、社内でも十分活用ができると思われる...)
 
 実は、なぜそのような経験やスキルが社内で活用できないかと言う問題と、この「プロボノ」ブームには、関連があるように思います。
 
 それは、
 
 供給側における、「年功序列とバブル採用」という事実です。
 
 勿論、需要側における、NPO等の増加、社会的認知や評価の向上という点も挙げられるのでしょうが、対象がNPOでなく中小企業であれば、これまでも需要はあったわけで、実を言えばあまり大きな変化ではないように思います。
 
 つまり、需要側よりも、供給側の事情がより強いのではないかと思います。
 
 今、30年以上続いている、所謂大手企業(東証一部上場のような)の社員の平均年齢は、40歳を超える企業が多くあります。
 平均年齢が40歳を超えるということは、多くの場合、その課長クラス以上の役職者は、45歳以上が多いでしょう。
 一般的なバブル期入社世代は今、40代が主流ですが、ここで年功序列の大きな壁が存在しています。同じようなスキルを保有しており同じ年代なのに、役職者になれない世代が急増している一方で、30代以下の社員はさらに人数も少ない状況です。
 
 こうした、40代の社員や30代の社員は、すでに社会人の経験やスキルが付いているにも関わらず、社内では慢性的な「ポスト不足」のため、活躍の場がないというのが現状です。また、職級自体は「課長クラス」にもかかわらず、ポストがないため、肩書きがない社員も多くいます。
 
 私の勤めている会社でも、重要な会議はほとんど役職者のみで行われ、部下には「通達」と言う形の結果報告があるか、それさえもない場合も多いです。
 
 また、最近は「プレイングマネージャー」であることを要求されることが多いため、従来の管理職も、プレイヤーであることが多くなります。
 管理職がプレイヤーを兼務すると、より困難なタスクが与えられるため、部下とのコミュニケーションが減ります。すでに実力はほとんど差がない「部下」が、ある意味でマネジメントから“放置”されてしまう状態ができます。
 
 このような事情から、バブル期入社後半世代社員や、ポスト不足を解消するため無理やり降格された年配のマネージャークラスは、仕事の自己実現を社外に見出しているのかもしれません。
 
 しかし、大きな視点で見れば、これは社会的にも意義があることだと思います。
 
 私もバブル後期の入社組なのですが、本当に就職活動はあまり苦労しませんでした。今の若い人が気の毒になります。
 しかしそういう世代は、入社によりつかんだスキル等を社会に還元するチャンスが来たと捉えることもできるのです。若い人や雇用を支える中小企業やベンチャー企業NPO等をバブル期入社組のような社員が支えることで、世代間の不公平を少しでも是正できれば、ミクロレベルの活動とはいえ、社会的な「善」ではないかと、自分は思います。
 
 そういう意味でも、「経営戦略」のプロボノコンサルティング、是非参加してみたい(⇒あるいは自分でやってみたい)と思います。