『人材』は、費用か資産か資本か?
企業における人材を会計に置き換えた場合、次のように区分することができるかもしれません。
①人在・・・費用 会社からは「人件費」として見られる存在
②人材・・・資産 会社から資産とみなされ、一定期間で償却
③人財・・・資本 会社から資本とみなされ、経営の源
コンサルタント等がよくやるように、こうした分類を安直に行うことが必ずしも正しいとは思わない。ただ、企業側がむしろこうした目で見ることを意識して、自分自身が何を感じ、どう行動するかにおいては一つのパースペクティブになろう。
①人在・・・費用 会社からは「人件費」として見られる存在
特徴としては、代替可能な職務(ルーチンワーク、等)を担当しているケースです。企業としては、職務自体で企業に「価値」はもたらさないが、ないと一定の業務品質を確保できないため、「費用」と考えられる。
「費用」であるために、即座のリターン(費用対効果)が求められる。つまり、今そこで業務が出来なければ、「使えない」との烙印を押されてしまう。
②人材・・・資産 会社から資産とみなされ、一定期間で償却
特徴としては、「彼(女)はなかなか使えるヤツ」と言われている人がこの部類に入る。現時点で利用価値が高いと上司より思われているので、資産化しそこで発生する経費などは、一種の「償却費」と考える。だが、「償却期間が終わる」つまり昇格したり仕事が変わったりした時、優良資産ではなく不良資産とみなされれば、状況は一転する可能性がある。
③人財・・・資本 会社から資本とみなされ、経営の源
経営者やTOP層から、後継者扱いされたり、非常に貴重な人材とみなされているケース。このような人材は、必ずしも会社とエンゲージしている人間とは限らない。勿論、その会社にとても魅力があればエンゲージメントが有効になるが、人材が会社をある程度見切っている(例えば、給与やキャリアアップのため等)ケースもある。
どうせなら、会社の資本となれること(これこそ、ヒューマンキャピタル!?)となりたいものである。人財になっていれば、リストラは恐怖ではなくむしろ機会にさえなり得るし、会社をリストラする(辞めちゃう)ことも出来るかも。