優秀な社員も流出する!?インターナルマーケティングの重要性
リストラ政策により優秀な人材の流出を避けたい、というのは少々企業努力が足りない面があるのではと思ってしまいます。
ちなみに、逃したくない“優秀”の定義さえ曖昧です。
・忠誠心が高く、組織の都合で振り回してもそれなりの働きをする
・自らが事業性アイディアが豊富で、ビジネス創出のスキルが高い
・自分や組織のマネジメント力が高い。
・作業や段取りに抜け目がなく、実務はほとんど完璧にこなす。
・リーダーシップが強い、又はファシリテーション力が高い。
などなど。
企業努力が足りないといいましたのは、企業の中でこうした“多様な優秀さ”を評価し、活躍させる仕組みの努力が足りないということです。
当然それは、もはや人事部門の管轄の範疇を超えている事も多くあります。
例えば、
創造的な人材のために、アイディアを奨励したり社内でベンチャーを起こす仕組みがあるか?
年功による登用を廃止し、若手や女性の登用をさせる仕組みがあるか?
事務を完ぺきにこなす人材のための、更なるスキルアッププランはあるか?
社員のライフステージに合わせた、多様な働きができるインフラや風土があるか?
優秀な人材をきちんとペルソナ分析し、それにフィットした施策や環境を用意する必要があります。
そう、人事とはインターナルマーケティングそのものということができます。
インターナルマーケティングを行い、経営やマネジメントの革新なしにして、旧来の枠組みの中で“優秀な人材をとどめさせたい”と思っても、おそらくは革新的な人材ほど流出してしまう結果になってしまうのではないでしょうか?
変化の激しい経営環境において、昨日の文脈で「優秀な人材」が、明日も優秀とは限らないのですから。
そして自分(企業)が変わらないのに、相手(従業員)にだけ変革を求め、しかもハイパフォーマンスを求めるのは、ご都合主義と言われてもしかないのかもしれません。
もし、企業内を革新するコスト負担が大きく、手っ取り早く固定費である人件費に手を付けたいというなら、残念ながら優秀な社員の流出とそれによる収益影響も計算しておいた方がよいと思います。
インターナルマーケティングの重要性を無視して安易な固定費削減に臨むことは企業の未来の収益を削減する負の効果があることを、企業は忘れてはいけないと思います。