シンクロニシティ

まずは、この動画を見ていただきたい。何かをお感じになられただろうか?
 

 
 この動画は、先日お邪魔した某人事・組織コンサルティング会社の方が自社のブログでご紹介されていたもの。
この会社では、ワールドカフェやOSTなど、新しい会議や対話の手法をコンサルティングしたり実践の場を提供されたりしており、その参加者より頂いたとブログにあった。最初は様々な会社や立場の方々が集まりバラバラの状態で対話の場が始まるが、そのうちに一体化していく事が多く、それがまさにこの動画のようだとお話されている。
 
 景気が上向きになったと言うニュースの中で、未だ経営危機又はそこまでは行かなくとも暗雲の立ち込めている企業はたくさんある。自分が所属する企業もまた、厳しい環境に置かれているのだが、この動画には感じさせられるものがあった。
 前回の日記で、大企業病の合併症として、各部門が各々のシングルループ学習に取り組む結果、バラバラの独善的な活動に陥ることが組織間の軋轢やコミュニケーションを阻害する、ような事を書いた。それはちょうど、この動画が始まった状態である。
 
 ユニークなのは、このバラバラのメトロノームが、一つの『不安定で且つ動的』な台座に置かれたときに、集約の方向に動くことである。
 勿論、メトロノーム間で情報共有しているわけでも意思疎通しているわけでもないが、動的で不安定であることが全てのメトロノームに伝わり、それが一つのうねりとなって全ての個体へ波動となり同じ動きをとるようになっている(私は物理学がさっぱり門外漢なので、波動が伝わっていることでこういう結果となったかどうかは分からないのだけれど)。
 
 これを組織にたとえた場合、土台が不安定であると言うことは危機的な状況を表していると思われ、バラバラのメトロノームの動きはまさに各部門が行うシングルループ学習とも連想できる。経営が不安定なときに、その不安定な状況と、お互いの波動を共有(共鳴)させることにより大きなうねりを作ることができれば、企業全体の方向性が集約され目標が定まる。そうすれば各部門はやがては全体の動きに呼応した動きとなっていく。
 
 組織改革には、実は大きなうねりが必要であり、そこに各組織が焦点を合わせる必要がある、という、とても良い事例かもしれない。
 
 人間の作った、「組織」というバーチャルな“集団”が、物理学の影響を受けているのかもしれないと思うと、それはそれで興味深いと言えそうである。