偉くなると仕事しないで良いのか?
昨日、自分の会社に昨年より就任した役員と始めてミーティングをした。
その時に役員が言っていたのが、「この会社は、中途半端に偉くなると、途端に仕事しなくなって、全部部下に仕事ふっちゃんだよね。それでメンタル不全の部下が増えているように思うな...」
この発言を聞いて、ふと昔の専門職(課長職)研修のことを思い出した。
研修では、なにやらロールプレイングゲームのような設定があり、自らがどのように振舞ったかで、マネージャーとしての資質を見るという内容だった。
多少はマネジメントについて学習した自分にとっては、これが理想的なんじゃないかという振る舞いをしたつもりだった。
結果、「あなたは、少し仕事を自分で抱え込みすぎるようです。もっと部下に任せましょう。」だった。更に追い討ちを掛けるように研修の講師役だったコンサルタントも、「これから皆さんはマネージャーになるのです。これからは仕事は自分でしないで部下を使えるようにならなくてはなりません」と言い放った。
このとき、自分は強い疑念を抱いた。
「とにかく、簡単な仕事は部下にさせ、マネージャーはもっと大事な仕事に取り組む必要があります」
マネージャーとは、マネジメントする人であるが、簡単な仕事は人にさせることが、果たしてマネジメントといえるであろうか?
仕事は、「落とす」ものではなくて、「巻き込む」ものである。
成すべきことをなし、貢献することに焦点を当てて、そこにメンバーを巻き込んでいくことが、リーダーの仕事ではないか?
「簡単な仕事は部下にさせる...」
この一見、当たり前とも言える“常識”が、年功序列社会の日本にとっては若者や女性等の育成の障害になり、全体でのレベルアップを妨げていると感じる。
貢献に焦点をあてて、そこに「巻き込む」ことができれば、自ずと皆が“出来ること”を行い、簡単な仕事も片付いていくように思う。結果的に見ると同じ結果になるかもしれないが、そこには「モチベーション」指数が大きく変わっているはずである。
もう一度、あのコンサルタントと議論したいな。