私の考える人事・・・その①

 常々思っている、人事施策についていくつか書きたいと思っています。今回はその1。(順番もないのですが。)
 
【施策】:
 マネージャー以上のポストは、他部門経験者であることを、マネージャー資格取得の要件とし、必要スキルを身につける必要があります。
 具体的には...
 
◎課長級:
  ・異なる職種を2つ以上(各3年以上)経験していること。
  ・経験した職種における一定の実力が証明できる実績、経歴、公的資格などを保有していること。
  ・会社の指定するコーチング研修を半年間受けること。
 
◎部長級:
  ・異なる職種を3つ以上(各3年以上)経験していること。
  ・経験した職種における一定の実力が証明できる実績、経歴、公的資格などを保有
  ・マネジメントスキル認定として、MBA基礎講座などの履修
  ・ファシリテーション研修などの履修
 

 
 現在勤めている会社ではこうした基準がないのですが、経済が知識経済化し、それに伴い社員の知識やスキルがドンドン上がっていくにつれて、要求される水準は変わってきています。
 まず何より、「学習しない上司」や「場やモチベーションをプロデュースできない上司」というのは、現在のリーダーシップの観点からは除外されるべきと思っています。
 
 個別の説明ですが、まず課長級ですが、これはスペシャリストであるという側面に、マネージする資質が問われることになります。したがって、少なくとも、○○バカでないように、二つ以上の異なる職種を経験している必要があります。
更に、課長職は、実は一番会社の多様なタイプの人たちと接する職級です。(TOPマネジメントへのプレゼンも要求される一方、新入社員の育成なども要求される)
したがって、課長級の一番必要なスキルは、『コーチング』であろうと思います。専門家としての自分をただ主張する「ベテラン社員の延長」ではなく、組織のハブとして、コミュニケーションを円滑にするためのスキルを学ぶ必要があり、「コーチング・スキル」は課長級の必須スキルでしょう。
 
 続いて、部長級ですが、経験職種は3つ以上を要求します。部長級に求められることは、マネジメント視点の中での部門の役割、です。全社最適を考えて行動できるか、そうした発想が全体最適化を促進し、部門の壁を作らずに組織硬直化の抑制に貢献します。
 したがって、ここでは、経験と同時に、マネジメントスキルをその要件として問います。最低でもMBAの基礎講座を取得できているレベルが必要だと思います。
 MBA資格については色々な議論がありますが、私はマネジメントにも「守・破・離」の発想が必要と思っています。21世紀に入り、様々な先進的学者やコンサルタントより“新しいマネジメント”が叫ばれる今日、過去の歴史も含めた現在教えられているマネジメントの基本(→上記、守、破、離の「守」にあたる)を学ぶ必要があると思っています。これがないと、古い発想が変えられない、或いは新しい発想をしてもすぐに古い発想に逆戻りする、等の弊害が出ます。
 マネジメントを変革する主体者となる「部長級」がマネジメントの古い原則を知らないわけには行かないということです。
 
 課長や部長は職場のリーダーであることが、今後もしばらくは続いていくことでしょう。マネジメントはまだそうしたリーダーさえも不要という画期的な方向には急激に進化は出来ないと思います。
 当面、組織はリーダーやマネジメントを必要とします。しかし既に多くの先進的企業に見られるように、その資質や役割は変化してきているのです。
 日本企業は、このパラダイムが全く50年前と変化がありません。
 
 「人の上に立つ」という事が、単に「昔の業績」で決まっていいはずがなく、メンバーを導くための自身のコミットメントとして、上記のような要件を課す必要があるのではないでしょうか?