「自発型」へのマネジメント

「仕事は、自分で考えて見つけるもんだ!」「“自発型”“自走型”でないといけない」...

巷では良くこう言われます。私は以前は団塊の世代の方の先輩がたくさん居まして、彼らの話を聞くと、上記のような考えで成功したり、ビジネスを切り開いてきた方がとても多いです。

これは、市場や製品・サービスが複雑化した現在にはもっと言えること。プロなら、いえプロならずともこうした働きじゃないと駄目だと言われます。

でも、ちょっと待てよ、と。

一方では、マネジメントでは「選択と集中」「効率化」が叫ばれて久しい。内部統制も本来的には「戦略実行として機能しているか?」が基本ベースにあります。つまり、マネジメントは無駄を省こう!集中させよう!という考えが根強い。「その施策は経営戦略に合っているか?」なんていうのは、もはやマネジメントでの日常会話です。

皆がいろんなことを「自発的、自走的」に考え動いても、マネジメント側は「無駄」と見なすことがむしろ昔より増えているんじゃないだろうか?特に、業績が下降しつつある企業において、戦略の基本考えを「集中」ではなく、「多様・分散」でシフトすることは困難でしょう。

この視点で考えると、「自発・自走」というのは、何か踊らされている気さえしてきます。

だけど、やはり仕事は「自発的」「自走的」でないといけないと思います。人に言われてやる仕事だけでは発展も無く、モチベーションも低い。
とすれば、やはりマネジメント側が、こうしたたくさんの「自発」を受け止められる覚悟が必要になります。風土や仕組み等で、「多様」と「効率」を共存させなければなりません。

やはり革新すべきは、“マネジメント”だと思っています。それはもちろん、経営者のみが担わなければならないものではなく、経営企画部員やマネージャ等の社員からコンサルタントや学者まで考えたいテーマだと思います。