事業に必要なもの

 先日、社内の事業企画会議に出席していた時に、いろいろ聞いた話から事業について、ぼんやり考えていました。
(ちなみに今、とある関連企業であるとある事業会社の経営革新を手伝っています。)

 そこで、出てきたフレームワークが下図です。

 ものすごく簡素化した絵になっています(汗)。
 少しだけ解説(というか、思うところ)を述べます。

 まず、事業は、二つの要素とその要素を可能にする一つの手段とに分割されると思います。


●要素①:『戦略』


 事業を行うにあたり、戦略はとても重要なものとなります。
戦略策定については、外部・内部の環境分析より導く『SWOT分析』によるものや、市場と製品(サービス)を縦横のマトリクスとして各々の象限で効果的な手法を考える『製品−市場マトリクス』、等があります。
 戦略立案の方法については、上記のような典型的なフレームワークでなくとも、自社にあった戦略立案が成されるべきですが、いずれにせよ、戦略がないことには、“何のために、どのように、事業を行うのか?”が明確になりません。「戦略のない事業は事業足り得ない」ことからも、戦略が事業の要素であるという言い方が出来ると考えます。


●要素②:『モチベーション』


 事業は一人で行う個人事業であれ、組織で行う企業事業であれ、「事業を行う動機」がなければ事業とは言えません。
 この“モチベーション(動機)”には、「外発的動機」と「内発的動機」があります。一般にモチベーションといえばどうしても内発的な動機をイメージしがちですが、大企業の役員クラスや企業の社長など、は顧客やステークホルダーからの圧力や評価といった外発的な部分も動機になっています。
事業を行う「理由」といえば、外発的なものも内発的なものもあり得ることは案外容易に理解できます。
 さらに、企業の場合には、社員自体がやる気が業績に影響することが知られています。まだまだ、「カイシャ」という世界では、社員のモチベーションよりも戦略や利益が大事という人も居ますが、やる気のない「戦略」では顧客も協力企業も、或いはステークホルダー全てから理解を得るのは困難といえます。


●手段:『コミュニケーション』


 三つの要素としても良かったかもしれませんが、このコミュニケーションは戦略の立案から伝達、モチベーションの醸成など、どちらかといえば、一つの大きな要素というよりも二つの要素を可能にするイネーブラー的なものだと考えられます。
 そのため、敢えてこれを「手段」と捉えることで、「三つの要素」ではなく、「二つの要素とそこを行き交うイネーブラー」という動的なものと考えました。



 意図したわけではないのですが、結果的には、バーナードの言うところの「組織の三要素」と似たような形になってしまいました。
 ある意味で、戦略及びそれを実行するための組織というのは、経営のTOPと社員の間での相互作用的なものなのだろうと思われます。