マネジメントは嫌われ者の仕事?

 昔、私が働いている会社にちょっとした名物になっていた売店のおばさんがいた。
朝によくお茶などを買いに行って雑談したものである。
 
おばさん:「ねー、あのメガネかけててちょっと変わった髪形の●●さんって知ってる?」
私:「あー、よく知ってますよ。どうかしたの?」
おばさん:「この間、○○買いに来たけど、もっのすごく態度悪いのよ。」
私:「あの人、偉い人なんだよ。仕事できるって評判だし。」
おばさん:「だからよ! 仕事できる偉い人に良い人いないもん...」
 
 
 勤めている会社が昨年以降非常に厳しい状況でまったく活気がない。今日もたまたま早く会社に出勤しその足で外出先に出かけるときに、通常時間で出勤してくる多くの同僚の流れと正反対に歩いた。
 そこで見たのは、皆猫背で元気が感じられない、某人事コンサルタントが自身の書籍で言っていた「ゾンビ社員」そのものに見えた。自分もそうなのかと思うとショックを隠せないまま外出先に向かった。
 
 そんなこんなで一日が終わり家に帰ると、先ほどNHKドラッカーの話をしていた。
 ドラッカーについては、詳しいわけではないが何度かブログにも書いた。
「何によって覚えられたいか」は、自分の座右の銘の一つでもある。
 
 そこでは、「貢献」の重要性が伝えられていた。顧客を創造し、顧客に貢献することで、社員が生き生きと働くことができると。食事をしながら私は、うんうん、と頷いていた。
 
 そのときに、ハッとした。
 
 うちの会社の社員は生き生きしていない。そして業績が悪い。
 
 ドラッカー流に言えば、業績が悪いのは、『貢献』が足りないのである。そして『貢献』していないからこそ、社員は生き生きしていないのではないか。
 思えば、私自身が所属する事業戦略組織も、やれ「売上」だ「利益」だ、「目標達成」だ、とその話しかしていない。そしてそれは、「人」が悪いか「商品」が悪いか、「人」なら誰が悪いか、「商品」なら何が悪くて誰が企画者か...そんな話しかしていないように思う。手前味噌な犯人探しとどうにもならない数字遊びに、実に多くの人間が関与している...

 『貢献』にフォーカスをすること。
 
 ここに、事業を再生し、社員を再生する鍵が間違いなくある。
 マネジメントに携わる者は、このことに気づかなくてはならない。
  
 もし、そうすれば、
 
 「良い人なのに、仕事もできるえらい人」が会社にも誕生するかもしれない。あのおばさんはそれを感知する、バロメーターだったのか?
 
 
 ハッ?もしや、ドラッカーの生まれ変わり!?(笑)